三十代後半から四十代前半、私は司馬遼太郎の『坂の上の雲』を繰り返し、何度も何度も、讀んでいた。おそらく、不安定な時期の精神安定剤であり睡眠導入剤であったと思う。その小説の中に岡田武松(1874〜1956)という気象学者が出てくる。彼は、日露戦争時、中央気象台の予報課長兼観測課長として大本営の気象予報を担当することとなった。日本海海戦にあたって連合艦隊から大本営宛に打電された有名な電報「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」の原典を書いた人である。

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