日本RNA学会会報(最新号)

「ベルリンでの恩師との再会とレッスン」

塩見美喜子(日本RNA学会会長)

研究者にとってこの世でまだ誰も知らないことを自分の手で誰よりも早く知ることができるというのは、醍醐味以外のなにものでもない。例えば、暗室。僅かな赤い灯の中、一人いそいそとフィルムを現像する。多くの場合そこにあるのは小さな感動だが、時として「Oh, my god」とつい叫びたくなるような、この上なく面白い結果に出くわす瞬間がやってくる。この出会いは相当良いもので、一種のドラッグではないが、正直これを欲して研究するみたいなところもある。

今年の年会は、7/15(水)〜7/17(金)に夏の札幌にて開催いたします。
詳しくは年会ホームページ(http://www.igm.hokudai.ac.jp/RNA2015/)をご覧下さい。

▷ 特別講演

 大塚 榮子(北海道大学)

▷ シンポジウム「RNAに秘められた力」

 加藤 昌人(University of Texas)
 小川 誠司(京都大学)
 宮崎 健太郎(産業技術総合研究所)
 岩崎 渉(東京大学)

RNA学会年会で企画しております男女共同参画のランチョンセミナーも、今年で3回目となります。第1回は、「気後れしている女性に対して、いろいろな選択肢がある中で≪PI≫というのも、そのひとつにしてもいいのでは?」というメッセージのセミナーでした。昨年の第2回は、「女性に限定しない若手支援や、研究者のキャリアパスやリーダーの育成」ということで、あらたなスタート切った3人の方に、ご自分がこれまで歩んでこられた山あり谷ありの研究人生についてお話ししていただきました。

受賞によせて ~1若手研究者の経験~

齋藤 都暁(慶應義塾大学医学部 分子生物学教室)

このたび、ずっと研究を支えて下さった塩見春彦さん、塩見美喜子さん、そして、ご推薦いただいた先生方のおかげで文部科学大臣表彰若手科学者賞を獲得することができました。この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。また、編集幹事の北畠さんから、受賞に関して特に内容を定めないので寄稿してほしいとのご依頼がありましたので、受賞理由の「小分子RNAによる転移因子制御機構の研究」に至るまでの過程を中心に紹介させていただきたいと思います。

ノンコーディング核酸の「動き」を見て「働き」を理解する

近藤 次郎(上智大学 理工学部 物質生命理工学科)

日本RNA学会会員の皆さんこんにちは、上智大学の近藤次郎と申します。この度、平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰・若手科学者賞を「分子スイッチ機能をもつノンコーディング核酸の構造研究」という内容で頂きました。今回、この受賞によせて日本RNA学会会報に寄稿させていただく機会を頂きましたので、自己紹介を兼ねまして私の研究内容についてお話したいと思います。

青葉賞受賞後の一年

池内 健 (東北大学大学院薬学研究科)

東北大学大学院薬学研究科・遺伝子制御薬学分野(稲田研)に在籍しています。翻訳伸長中にリボソームが停滞した時mRNAとタンパク質が分解を受ける「品質管理機構」について研究しています。どのようなリボソームが品質管理の対象となるのか、停滞したリボソームを認識する機構はどのようなものか明らかにしたいと考えており、出芽酵母を用いたreporter gene assay、遺伝学的・生化学的手法、最近では質量分析も用いて実験を行なっています。

青葉賞受賞を経て

牟田園正敏(熊本大学大学院RNA分子生物学研究室)

皆様、初めまして。熊本大学博士後期課程2年の牟田園と申します。谷研究室に所属し、分裂酵母を用いて、セントロメアRNAとスプライシング因子を介したサイレンシング機構の解析を行っております。幸運なことに、名古屋で開催された第16回日本RNA学会年会にて青葉賞を頂くことができました。この場をお借りしてお礼申し上げます。さらに、青葉賞の副賞として、国際学会の旅費援助を頂くことができました。多大な援助、重ねてお礼申し上げます。

「石、その三」 沖縄の海

塩見 春彦(慶應義塾大学医学部 分子生物学教室)

最近の記事、たとえば、3月8日付 読売新聞のジョセフ・ナイ元米国国務次官補による「地球を読むー現代の戦争と情報戦—」によると、戦争とはもはや兵士と兵士が直接殺し合うものではなく、敵から遠く離れた場所にとどまり、膨大な情報を処理し、そこから有用な情報を速やかに抽出し、遠隔操作で無人機を送り込み、的にピンポイントでミサイルを打ち込み、敵を破壊する、さらにはミサイルや爆弾なんてものも一切使用せず、情報ネットワークを介して敵の内部に深く入り込み、その中枢システム、つまり、コンピュータ(のソフト部分)を撹乱または破壊する「方式」に変わってきた、とのことです。