COVID-19の発生から約2年が経過しました。日本では第5波が収まり、元の生活を取り戻しつつありますが、お隣の韓国では感染が拡大してますし、オミクロンという得体のしれない新しい変異株が登場するなど、まだまだ終わりが見えない戦いに愕然とします。グローバル化が進んだ現代社会においては、世界的に収束しないと意味がないことがよくわかります。ワクチンや治療薬が全世界に普及することが唯一の解決策なのかもしれません。各国リーダーたちの英知に期待したいと思います。

私は、現在スウェーデンにポスドクとして留学している倉田竜明といいます。これまでRNA学会とは関わりはありませんでしたが、今年発表した仕事で会長である鈴木勉先生に解析を依頼したことをきっかけに今回このお話をいただきました。鈴木先生、そして編集幹事の甲斐田先生にはこの様な機会を与えていただき感謝しています。RNA学会の会報には面白く、また勉強になる内容が多く、「海外より」の記事も読ませていただいていました。多くの方の情報・体験談が書かれてありますから、留学一般的なことよりもむしろ、私が所属する研究室で経験したことと、(皆さんあまり馴染みがないであろう) スウェーデンのことについてこの場では書いていくことにします。

この度は海外での研究経験をシェアする機会をいただきRNA学会編集委員の甲斐田先生を初め、学会員の皆様に感謝いたします。甲斐田先生とは2012年ごろ東北大学で発表を拝聴させていただく機会があり、それ以来のお話しで嬉しいかぎりです。RNA学会には学部4年生の2008年に京都のRNAフロンティアミーティングに参加させていただいてから、年会と若手の会に学生中は毎年参加してきました。直近では2021年の山形のオンラインミーティングで口頭発表をさせていただきました。留学後も学会の先生方には声をかけていただく機会がたくさんありとても感謝しております。

東京大学大学院理学系研究科の西田知訓と申します。この度、RNA学会から推薦していただき、令和3年度若手科学者賞を受賞することができました。これまで、支えていただいた塩見春彦さん、塩見美喜子さん、推薦していただいた先生方、そして書類の手続きなど手助けいただいた庶務幹事の伊藤さんに心より感謝申し上げます。今回、編集幹事の甲斐田さんより、お好きな内容でいいので寄稿してほしいとのことでしたので、受賞いたしました「RNA干渉を引き起こす小分子RNA生合成機構の研究」についてのこれまでの経緯を書かせていただきたいと思います。

2020年12月末に、mRNAワクチンについて解説したエッセイを日本RNA学会のホームページに執筆した。このエッセイは、元々日本RNA学会の会員や医療関係者といった医学、生物学、生化学などの基礎知識がある人に書いたものだったが、予想外にTwitterやFacebookなどのSNSに取り上げられてしまった。また、文系の人でこれを読んだ方もいたようだ。鈴木さんや甲斐田さんは、これは立派なアウトリーチ活動 (一般向けへの専門技術解説) ですよと言ってくれたのだが、筆者としては世の中の情報拡散速度に、驚くばかりである。コロナ禍は大変な社会問題だが、この中で多くの人が “RNA”、というキーワードを知った事は重大だ。願わくは学会に参加する研究者、学生や、企業の協賛など少しでも増えてくれればいいと思っている。

はじめに

最近特に話題になっているmRNAワクチン。このmRNAにはキャップ構造がついていて、それが細胞内での翻訳には必須である。翻訳におけるキャップ構造の重要性は言うまでもない。古市先生による会報での素晴らしい連載により、日本RNA学会の会員の方々には、キャップ構造がどのようにして発見され、いかに重要かが伝わっていることと思う。今キャップ構造が再び注目されているこの時を、キャップ構造について大学院時代に研究をしてきた自分にとっては、大変嬉しく思う。その反面、キャップ構造は核内でも重要だということをみなさんはご存知だろうか、eIF4E以外に、NCBP1、2と現在データベース上で言われているキャップ結合タンパク質の存在をご存知だろうか、と思う時がある。会報を編集されている富山大学の甲斐田さんにお話ししたところ、許可をいただいたので、私が大学院時代に経験した、核内キャップ構造結合タンパク質精製への道のりを書かせていただくことにした。多くの会員の方は、核内キャップ構造結合タンパク質を精製、報告した二つの研究室のうち一つは日本の研究室だということをご存知ないかもしれない。そのことを知っていただくとともに、私がここから得た教訓を、特に若い会員の皆さんにお伝えできれば、と思う。

この2年間のコロナウイルスによる厄災を振り返ると、色々の記憶が重なって感慨深い。自粛のストレスや、経済の沈静化、緊急事態宣言など暗いニュースの中で、マスコミの報道がやたら騒がしかった。武漢での感染発生から始まり、ダイヤモンドプリンセス号、世界での惨状、PCR騒ぎ、コロナ治療薬、新型ワクチンの副作用、ワクチン接種の実施、コロナと五輪をネタにした政治闘争、そして、今後は国産ワクチンの開発をどうするかなどへ続くだろう。話題は次々に登場し、踊り、消えてゆくのであるが、mRNAワクチンの製造技術は、未知の新型ウイルスに対しても短時間で対処できるうえに、抗がん剤などへ応用できるうえに、国防上も非常に重要であるので、この国の根幹にかかわる技術として、是非、根付かせたいものである。そんなことで、老生もこの問題から目を離すわけにも行かず、25話から30話まで6話も続けてコロナに関するエッセイを書くことになってしまったが、これを最後としたい。

コロナウイルスの話題は、デルタ株のせいで、またまた、熱くなってしまったが、いっとき、その話題から離れてのんびりしたい。東京オリンピックやパラリンピックも、数々の感動を添えて、いまだ記憶に鮮明だが、この間にメジャーリーグ・ベースボール(MLB)での大谷翔平選手の着実な活躍が素晴らしい。コロナ自粛で重苦しく暗い世相の中で、ここ数か月間、MLBでの大谷選手の毎日の活躍は、日本国に明るいニュースを届けてくれていて真に嬉しい。

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