Riboclub2019 Annual Meeting参加レポート

投稿者 高倉 眞優子 (東京大学大学院工学系研究科)

東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻 鈴木研究室の高倉と申します。昨年日本RNA学会による国際会議参加費支援に採択をいただき、9月22日-27日にカナダのケベック州オ―フォードで開催されたRiboclub2019 Annual Meetingに参加させていただきましたので、時間が経ってしまいましたがその報告をさせていただきます。

学会はモントリオール市街よりバスで1時間半、そこからさらにタクシーで10分というリゾート地の中のホテルで行われました。冬はスキー場となるため多くの観光客が訪れるようですが、夏はオフシーズンで何もない…ところではあるのですが、自然は豊かで、学会会場の外で可愛い野生のリスがたくさん見られたりもして本当に素敵な場所でした。学会中盤にあったFree afternoonで50分かけて歩いて国立公園の美しい湖を眺めに行ったり、また最終晩に天の川を見たりと、かなり満喫できました。

図1
写真1. 学会会場のホテルにいた野生のリス

図2
写真2. Free afternoonに訪れた国立公園の湖と紅葉

今回の会議はRiboclub20周年記念の特別な会議で、世界中から著名なRNA研究者が集まりました。自分が高校や大学の授業で学んだような重要な生命現象を発見した方々から直接お話を伺えるというのはとてもラッキーなことだと感じ、また同時に教科書の出来事がどうしてもどこか遠い世界のものに感じがちであった自分にとっては何となく不思議な感覚がありました。毎日朝8時からトークが始まりポスターセッションが22時近くに終わるというハードスケジュールでしたが、皆さん終了後もお酒を飲みながら談話を続けており、次の朝もとっても元気…という感じでそのタフさにびっくりしました。Talk sessionは基礎的な生命現象の理解を追うものから疾病治療等の応用的な側面からの研究まで、かなり多岐にわたるものでした。私は普段tRNA修飾の生理学的意義を追う研究をしているため序盤の基礎研究分野のtalkは背景からlatest progressまでかなり興味深く伺えたのですが、会議後半でsessionが応用的な部分に移行してくると、背景を理解したり、背景と最近の成果の区別をつけたりするだけで精一杯でした。次の学会では各演者のラボテーマについてもう少し勉強してから臨みたいと思いました。ただ、知識の乏しい私にとってはRNAや関連する生命現象について包括的に勉強することができた非常に有難い機会でした。特に、自分が当時詳細に勉強を始めた転写調節機構についての詳しいトークを聞けて、一気に知識を深められたのはとても良かったです。

ポスターセッションは鈴木先生とValerie de Crecy-Lagard氏がトークで宣伝してくださったことも手伝って、沢山の人が聴きに来てくださいました。ポスターでは不思議な (?) phenotypeを報告したのですが、何人かの方とphenotypeが生じる理由について議論を交わすことができ、学会に参加した意義を感じました。また、大腸菌tRNAにおける最後の未同定修飾酵素を同定したという発表もした為、「おめでとう!」とのコメントも沢山いただき、嬉しく思いました。他の人のポスターも楽しく拝見したのですが、Ribozymeの開発に関するポスターが多いのが印象的でした。普段ラボではあまり工学的なことはやっていないため、どの発表も新鮮に感じられました。

また、ポスターセッション以外にも学会中には他の研究者と交流する機会が多くありました。食事の際には多くの方が声をかけて下さり、世界各国における博士課程の学生や研究者の処遇、またそれぞれのラボのボスが一番大事にしていることなどの情報を交換することができました。

Mentor-Mentee LunchにおいてはChuan He氏と隣の席で話す機会に恵まれました。Chuan氏とは前に一度お会いしたことがあるのですが、そのことを覚えていて下さって感無量でした。Chuan氏や他のポスドクの方と一緒に、研究テーマの話から将来設計の立て方、また各国の文化についてまで多岐にわたる内容でのディスカッションを一緒にしていただけました。私の拙い英語力でも皆さんが単語から解読してくださったり、分からない質問は言い換えてくださったりと親切にしてくださったため、充実した時間を過ごすことができました。英語力は勿論大事ですが、流暢でなくてもマインドがあれば大丈夫ということを実感して安心しました (と同時に、自分の英語力のなさを痛感して少し恥ずかしくなりました)。ここでも自分の知識不足により他の方の研究テーマに対してあまり突っ込んだ質問ができなかったのが心残りです。ご一緒した方々と将来再会した時にはもっと熱く議論を交わせるようになろうと密かに誓いを立てました。

学会参加を通じて、RNAを情熱的に研究している人は世界中に沢山いるのだなということを改めて実感し、自分もこれからもっと努力してRNA研究の発展に少しでも貢献できるようになりたいと強く感じました。また、トークや様々な人とのディスカッションを通じて自分の研究テーマ以外の知見や広い視野で現象をとらえる必要性を痛感しました。

最後になりましたが、学会参加にあたり貴重なご支援を下さった日本RNA学会の皆様、および様々な手続きをしてくださった庶務幹事の伊藤様に厚く御礼申し上げます。

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