日本RNA学会20年目の節目を迎えて

鈴木 勉(日本RNA学会会長)

ずいぶんと時間が経ってしまいましたが、本学会の記念すべき第20回目の年会は大阪で開催されました (7/9-11)。大変すばらしい会場でした。口頭発表、ポスター発表、いずれも興味深い内容ばかりで、3日間が、あっという間に過ぎてしまいました。10のセッション、2つのシンポジウム、2つの特別講演といずれも趣向の凝らしたプログラムが組まれておりました。懇親会での近大マグロの解体ショーは大いに盛り上がりましたし、大阪ならではの豪華な食事も堪能させていただきました。昔の写真のスライドショーもよかったですね。今は亡き恩師の写真や、重鎮たちの若かりしころのお姿は、本学会が歩んできた長い歴史を感じさせてくれました。改めて、年会長を務めていただいた藤原俊伸さんに感謝申し上げたいと思います。また、特別講演およびシンポジストを務めていただいた、岸本忠三先生、西村暹先生、阿形清和先生、Piero Carninci先生に、この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。

今年の年会の特徴は英語での口頭発表だと思います。年会前に、「口頭発表を英語でやりませんか?」と藤原さんに相談申し上げたところ、各セッションの座長に指示が飛びました。もちろん、強制ではなく、発表言語の選択は各座長に任されることになりました。その結果、約6割の口頭発表が英語になりました。もちろん、賛否両論があることは重々承知しています。無理やり英語化することによって得るものもあれば失うものもあります。実際、年会後にもいろんな意見が私のところに届いています。私は、「英語化によって誰が得するのか?」ということを常に考えています。大学で学生を指導されている方々は常に痛感している問題ですが、日本は主要国の中でも、論文数や博士進学者数が減少し続けています。このままでは日本の科学力の低下が深刻な事態に発展するでしょう。もちろん、大学の運営費や研究費の問題など、行政が取り組むべき様々な問題があると思いますが、われわれ現場サイドでできることもたくさんあるのではないかと感じています。最近、海外の学会やシンポジウムに参加して感じるのは、日本人がとても少ないことです。特に日本人学生が少ないです。今の大学院生たちと接して感じるのは、相応の語学力を身に着けているのに、それを使う機会がほとんどないことです。英語での発表をしたり聞いたりする機会を増やすことで、私たちの学生は少しでも、海外への垣根を低く感じてくれるのではないかと期待しています。優秀な留学生を増やすことも国際化に向けて重要な取り組みだと思います。語学の問題だけでなく、日本の凝り固まった狭い価値観を変えるためにも、ラボを国際化し、留学生と日本人学生を切磋琢磨させながら指導することは特に重要だと思います。学生の皆さんには、海外の学会にどんどん参加し、発表し、交流する機会を増やしてほしいと切に願っています。本学会は、来年6月にポーランドのクラコフで開催されるRNA2019 (RNA society annual meeting) への参加に、若手と学生向けの渡航費助成を行います。詳細につきましては追ってアナウンスをいたします。この機会にどしどしご応募ください。


図 年会の抄録をコンプリート!
第13回、第18回はそれぞれRNA societyのRNA2011、RNA2016との共同開催。