日本RNA学会会報(最新号)

最後の巻頭言

塩見 美喜子(日本RNA学会会長)

一昨日、モスクワから戻りました。すでに5回目の訪問でしたが、初春(3月)は2回目。昨年も、ちょうど今頃モスクワでしたが、気候は今年の方が断然厳しく、最終日の最高気温はマイナス8度でした。路肩は雪の大山小山の連続。公園は一面の雪。手袋をしていても指先が痛く感じられましたが、ブランコを漕ぐ子供は満面の笑み、ハスキー犬はもっと大喜びで、まるでウサギのように雪の上を飛び跳ねていました。慣れとはおそろしいものです。いつだったか、先方からもらったメールに、先週まではマイナス30度だったけれど、マイナス20度になったから、スキーに行きたいのだけれど、wifeが許してくれない、というのがありました。彼は御歳83歳(写真参照)。モスクワは意外にも平坦で、よってノルディックですが、それにしてもスキーに行きたいとは、恐るべし、かな、よきかな。来年度も訪問予定ですが、秋が良いというので、その頃にしようかな、と思案しているところです。言葉はお互い流暢ではありません。が、それでも双方のpiRNA研究の進捗や技術を分かち合うのは楽しく、学生の発表のスキル向上にも繋がっています。

アメリカ体験記

山路 剛史(Cincinnati Children’s Hospital Medical Center)

生殖細胞の発生に関わるRNA制御を研究している、山路剛史と申します。今年の2月から、米国オハイオ州のCincinnati Children’s Hospital Medical Center (CCHMC) で研究室をスタートさせました。本稿では、僕がアメリカ生活で学んだことを書かせていただきたいと思います。僕の経験が誰かの役にたち、海外に行くことを躊躇している人の後押しをすることができれば幸いです(うちのラボも絶賛募集中です)。

熊本大学自然科学研究科理学専攻生命科学コースの中武誠真です。比叡山延暦寺で開催されたRNAフロンティアミーティング2017に参加させていただいたので、得られた体験から3つのことに焦点を当ててご報告させていただきます。

北海道大学生命科学院生命システム科学コース修士2年の武井夏海と申します。この度、2017年11月8日から10日にかけて比叡山延暦寺延暦寺会館で行われたRNAフロンティアミーテング2017に参加いたしましたので、その時の様子をご報告いたします。

RNAフロンティアミーティング2017 参加報告

平島 智貴(京都工芸繊維大学)

京都工芸繊維大学 応用生物学専攻 染色体工学研究室 修士1年の平島 智貴と申します。今回2017年11月8日から10日にかけての3日間、滋賀県比叡山延暦寺会館にて開催されたRNAフロンティアミーティング2017(フロンティアミーティング)に参加させていただきましたので、その経験を学生参加者の視点からご報告させていただきます。

日本語版Ribosome profilingプロトコル

水戸麻理、岩崎信太郎(理化学研究所岩崎RNAシステム生化学研究室)

本プロトコルは哺乳類培養細胞におけるribosome profilingの基本プロトコルです。HEK293T細胞を想定して記述していますが、経験上同様の手法が他の培養細胞でも適用できることが多いです。

南オーストラリア、アデレード

昔、1974~75年ごろ、米国ロシュ分子生物学研究所で、一緒にmRNAキャッピングの仕事をした4人の研究者が、今年10月に、夫婦づれで南オーストラリアのアデレードという古い町に集まり、1軒の家を借りて久しぶりの邂逅(Reunionと呼ぼう)を楽しんだ。日本からは私と家内、アメリカからはNuss夫妻(ドナルドとクリスタ)、オーストラリアのメルボルンからAbraham夫妻(ゴードンとアルテア)、シドニーから幹事役のBoth夫妻(ジェリーとキャロル)の合計4組8人だ。幸い、どの組も離婚しなかったから、昔からの知り合いで、お互いに子供達の名前も憶えている。そんな4組だ。

創薬研究:Clozel博士の実験ノートから

1985年、筆者はキャップの研究から離れ、帰国して鎌倉のロシュ研究所で創薬研究をはじめた。きっかけは、スイス・ロシュのClozel博士の実験ノートからだった。第9話のPCRで紹介したロシュ研究トップのドレーブス氏(Dr. Drews)が彼女の実験ノートのコピーを私に見せたのである。そこには、内皮細胞の培養液中には、血管を攣縮する(ぎゅっと引き締める)活性を持つ物質が出ているというデータが示されていた。血管が攣縮すると内容積が減るから、血圧が上がるのである。実験ノートからは、その物質は、ペプチド性の小さな化合物であることが読みとれた。

編集後記

日本RNA学会会報

日本RNA学会第8期・第9期の編集幹事をつとめました、北畠です。

4年の間、RNA学会会報の編集を担当していました。いつもぎりぎりのスケジュールで突然にご寄稿依頼をお送りすることになってしまいましたが、こころよく執筆を快諾いただいた執筆者のみなさま、本当にありがとうございました。また、わたしの計画性のなさから、十分な執筆時間をご用意できない状態での依頼となってしまい、結果としてご寄稿がかなわなかった方々も多数いらっしゃいました。大変失礼いたしました。執筆者の方々、読者の方々、裏方で一緒に支えてくれた方々、RNA学会の会員・非会員を問わず、たいへん多くの方々に会報のために貴重なお時間をさいていただきました。みなさまのご協力により、多様性に富んだ会報の発行を続けることができました。ありがとうございました。

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