【会長からの緊急メッセージ】RNA研究者としていま何ができるか?

投稿者 鈴木 勉(日本RNA学会会長)
2020年04月14日

はじめに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。また、日々病院や保健所で、命がけで治療や対応に追われている医療従事者の皆様に深い敬意と謝意を表したいと思います。本当にありがとうございます。

これを書いているいまの時点 (4/13) ですが、COVID-19の感染拡大により世界で感染者が185万人、死者が11万人を超えています。数か月前までは、誰も予想できなかった未曽有の事態が今ここにあります。首都圏も非常事態宣言が発出されました。本学会の会員の身内や知人が感染したり、身近に実際に闘病されている方がおられるかもしれません。まずはその方々に、お見舞いと一刻も早い快復をお祈り申し上げます。

首都圏で活動している学生、大学や研究所の教員やスタッフ、企業で活動をなさっている会員の皆さんは、研究の休止を余儀なくされていることと思いますが、まずはご自身とご家族の健康と安全を第一にお過ごしください。

このような状況下で、私たちRNA研究者に何ができるでしょうか?生命科学に携わる者は誰もが自問自答し、自分にできることを探していることでしょう。普段から、応用研究には目もくれず、基礎研究に没頭しているアカデミックの研究者 (私もその一人です) ですら、人類共通のこの難しい課題に取り組まざるを得ない状況に追い込まれています。言わずもがなSARS-CoV-2はプラス鎖RNAウイルスです。世間一般からすれば、「RNA学会に、何かいい策はないのか?」と問いかけたくなるでしょう。確かに、このウィルスの制圧には、迅速な診断法の開発、治療薬の開発、ワクチンの開発など、やるべきことが山積みです。私たちが持つ専門的な知識や技術、そしてRNA研究の経験を総動員して、アイデアを捻り出し、それを共有し、今こそ、この難題に取り組むべきではないか、と真剣に考えています。実用的なアイデアは企業と一緒に開発すればいいですし、実用化には時間がかかるけど長い目で見れば新興感染症への対策に効果があるような研究も重要になってくると思います。私たちの研究費の大半は国民の税金で賄われています。私たちの専門性を発揮すれば、少なからぬ貢献ができると信じています。

PS. 先日行われた選挙によって第11期の評議員が選出され、3月末に開催された評議員会での互選により、私儀、第11期の会長を仰せつかることになりました。前期からの継続になりますが、残りの任期2年を全力で全うしたいと思います。日本のRNA研究のさらなる発展のために、真摯に取り組んで参りますので、皆様、どうぞよろしくお願いいたします。