リボソーム学会2018参加報告

石黒健介(東京大学大学院工学系研究科)

東京大学大学院工学系研究科博士三年の石黒健介と申します。本稿では、先月カナダで開催されたRibosome synthesis 2018についての参加報告をさせていただきます。

この学会は、リボソーム生合成をテーマとして3年に一度開催されている学会で、今回で11回目になります。前回はベルギーのブリュッセルという大都市の中心で行われたのですが、今回はオルフォールというモントリオールからバスとタクシーを使って2時間近くかかる田舎のリゾート地で行われました。行きの航空便が翌日に延期になるというハプニングはあったものの、もともと前日に現地に到着するように予定を組んでいたため無事学会開始までには現地に到着することができました。日本では夏の真っ盛りの時期でしたが、オルフォールでは夏でも30℃に届かないぐらいで学会期間中非常に快適に過ごせました。

この学会では様々な生物種におけるリボソーム生合成機構について口頭発表とポスター発表の両方が行われます。また、近年技術が飛躍的に進歩したCryo-EMを用いた構造解析や、リボソーム病と呼ばれる疾病とのかかわりも多く発表されていました。テーマが非常に限定されていることもあり、自分が研究を進める中で参考にしてきた論文の著者たちや、有名な教授たちとも実際に話をすることができました。

私は最終日の口頭発表に選ばれたのですが、主催者に同じ内容でポスター発表も行うことができると伝えられたため、同時にポスター発表も行うことにしました。これは、自分の英語力だと口頭発表の限られた質問時間ではうまく回答できないかもしれないが、ポスター発表なら図を使いながらじっくり説明できると考えたからです。実際、2日目と3日目の夜に行われたポスター発表ではたくさんの人たちと活発なディスカッションを行うことができました。また、このディスカッションを通じて、最終日の口頭発表に向けた練習も行うことができたのではないかと考えています。

3日目の午後は自由時間となっていたため、ラベンダー畑とワイナリーを巡る観光ツアーに参加しました。ラベンダー畑は、フランスで栽培されていたラベンダーをケベックでも育てようというプロジェクトだそうです。フランスに比べカナダの冬が厳しいため管理が大変のようですが、丘一面にラベンダーが咲いていてとてもきれいでした。ワイナリーでは現地で生産されている様々なワインを飲むことができました。カナダの名物であるメイプルシロップの入ったワインもあり、甘みがありとてもおいしかったです。

最終日の朝、学会の最後のセッションで私の口頭発表を行いました。前日にBanquetがあったこともあり、みな疲れがたまっているようでしたが、それでも多くの質問を受けました。手元にパソコンのない状態で発表する必要がありとても緊張しましたが、事前にポスター発表で発表していたこともありすらすらと話すことができました。

今回の学会では、自分にかかわりの深いテーマについて多くの知見を得ることができました。また、英語で口頭発表をし、ディスカッションをするという非常に貴重な機会を得ることができました。また、つたない英語であってもお互いに意思疎通ができること、また欧米の研究者であっても、英語がスラスラ話せる人ばかりではないということも意外な発見でした。今回の学会の経験を生かして今後とも研究に精進してまいりたいと思います。最後になりますが、今回、前年度のRNA学会優秀賞の副賞として海外学会の参加費をご支援いただき感謝申し上げます。

写真1
写真1 学会会場のホテル

写真2
写真2 ポスター会場の様子

写真3
写真3 口頭発表会場の様子

写真4
写真4 ラベンダー畑

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